| 年代 造り手 [2003]年 ドメーヌ ブシャール・ペール・エ・フィス 生産国 地域 フランス ブルゴーニュ(コート・ド・ボーヌ) 村 ボーヌ・プルミエ・クリュ AOC タイプ 赤(フルボディ)・辛口 内容量 750ml ブシャール・ペール・エ・フィス[2003]年ヴィンテージ情報 例外的な高温と乾燥が生んだ記録的なヴィンテージ 1.気象条件 コート・ドールのブドウ畑では例外的な乾燥と晴天が2月から9月下旬まで続き、全ての記録が塗り替えられたヴィンテージと言えるでしょう。ブドウの生育の早さ、日照量の多さ、最高気温(40℃近い気温が9日間断続的に続く)等、この地方のブドウ栽培者にとってかつて経験したことが無い異常気象です。 高温と乾燥の気候を好むブドウにとってもさすがにこの年の気候は厳しいものがあったようで、それは平年に比べ収穫量約40%減という数字に反映されています。4月にムルソーを中心に遅霜の被害があったということもありますが、この日照と厳しい暑さがちょうど南側に面したブドウを焼いてしまうなど、比較的冷涼なブルゴーニュ地方ではほとんど考えられない現象が起こりました。この「焼ける」現象を免れたブドウでも雨が降らず地中の水分の蓄えがほぼ尽きていた状態ゆえに絞っても果汁が少ないものでした。 しかし、悪いことばかりではありません。例えば、ブドウ果はこの強烈な日照による紫外線と暑さから身を守るために果皮が分厚くしっかりしており、ピノ・ノワールは色付きが非常に濃くなりました。またカビ系の病害が全くといってよいほど発生することはありませんでした。これらはグレート・ヴィンテージに見られるブドウ果の特徴です。 2.収穫と醸造 コート・ド・ボーヌとコート・ド・ニュイでの収穫のタイミングにこの年の差が見られず、公式には8月19日が収穫開始となり、ブシャールでは21日より開始。この異例の8月収穫は1731年のブシャール創立以来最も早いものとなりました。もちろん手収穫にこだわるのは当然のこと。ヴァカンス真っ只中のこの時期でも約250人の収穫人が集まり、130ヘクタールに及ぶ自社畑を10日間で終了させる速さで進行されました。 収穫量は少ないもののブドウは全て完熟状態に。糖度は極めて高く、潜在アルコール度は13.5から14%にまで達しました。この年、醸造所での選果作業は未熟果や腐敗果を取り除く作業は無く、逆に焼けて乾いてしまったブドウを取り除くことが重要課題となりました。 ブドウが極めて高い糖度をもっていたため、急激なアルコール発酵を避けるため醸造の作業は慎重に。そしてカギとなったのは赤ワインでは特に発酵層の温度管理でした。ブシャールでは1995年のアンリオ氏のオーナー就任以来、最新鋭の温度管理のできる設備を積極的に導入したため、発酵は順調に推移しました。 3.ワイン 赤ワインはやや紫がかった非常に強い色調を持ち、熟れた赤い果実を思わせる誘惑的な香り。味わいは酸は低いものの溶け込んだタンニンがワイン全体のバランスを支え、強烈な果実味は試飲といえども飲み込みたくなる欲求にかられます。非常に濃密で、いつまでも長く続く長い余韻はグランヴァンであることの証と言えるでしょう。こうしたキャラクターはACブルゴーニュや知名度の低いモンテリー等のプチ・アペラシオンのワインにも十分表現されています。プルミエ・クリュ、グラン・クリュは言うまでも無く、全てのプシャールの赤ワインが「買い」のヴィンテージとなるでしょう。 白ワインはやや緑がかった明るい金色。甘い白い果実を思わせる非常に豊かな香りと口の中でのフレーヴァーが心地よく、豊かな味わいはこのヴィンテージならではインパクトのあるものです。ブルゴーニュの白ワインならではのミネラルも健在で、特にコルトン・シャルルマーニュなど一般的に涼しいといわれる区画から「真の偉大なるテロワール」を反映したものが生まれています。 |